農地転用手続きの専門家は行政書士です

田や畑を宅地や駐車場、資材置き場などに用途を変更することを『農地転用』といいます。

この手続きは、自分で手続きすることも可能ですが、現地の確認や行政との相談打ち合わせ、様々な書類を作成する必要があり、かなり大変といえるでしょう。

では、専門家など誰か他の人に手続きを依頼するとしたら、誰に依頼すべきでしょうか。

イメージとしては、「建築士」「不動産業者」「司法書士」などが浮かんでくるかもしれません。

ですが、この『農地転用』という手続きは「行政書士」が行う事ができる、“独占業務”となっています。

つまり、行政書士は、申請者に代わって、農地転用の書類作成ができる唯一の資格者なのです。

もしかしたら、「過去に不動産業者に依頼した」という方がいらっしゃるかもしれません。しかし、それはあくまでも他の手続き含め不動産業者がまとめて受注し、『農地転用』手続きのみを他の行政書士へ業務依頼(紹介)していることでしょう。

でなければ法律に違反してしまう恐れがあります。

行政書士に依頼すると費用が高くなるのでは??

「費用が高い」かどうかは別として、行政書士も農地転用の手続きを“事業”として行っているのでいくらかの費用が発生することになります。

おそらく、4条(権利移動)・5条(権利移動+転用)の許可申請手続きで10万円~が相場だと思いますが、行政書士は、「申請者」、「農業委員会」、「土地改良区」といった関係各所との打ち合わせ、そしてこの後記載する様々な書類作成を行う事になりますので、決して楽な手続きではありません。

それでも「費用をかけずに農地転用をしたい!!」とお考えの方。

関係各所との打ち合わせや交渉、図面の作成などをご自身で全てできる場合には、ぜひ挑戦してみてください。

それでは、実際に作成する書類や手続きを見てみましょう。

農地転用の必要書類(新潟市の場合)

  • 申請当事者の住民票(ただし、新潟市民は不要。) 法人の場合は法人登記事項証明書、若しくは定款又は寄付行為の写し(原本証明付)
  • 申請土地の全部事項証明書(土地登記簿謄本)
  • 申請土地の更正図
  • 申請土地の位置及び付近の状況を表示する図面(50,000分の1から10,000分の1程度)
  • 申請土地の施設及び施設物間の距離を表示する図面(500分の1から2,000分の1程度)
  • 土地利用計画図、雨汚水排水施設計画図
  • 土地改良区の意見書
  • 資金計画申出書及び資金調達の証明書(預貯金の残高証明書、金融機関の融資証明書など)
  • 申請の土地において権利を有する者の同意書(自己転用の場合、所有権者同意は不要)
  • 事業関連の許認可等があったことを証する書類の写し(農振除外通知、国有財産使用許可、道路工事施行承認、河川法許可 等)
  • 取水、排水にかかる同意書等の写し(土改排水施設使用同意 等)
  • 登記の住所と現住所が相違している場合は、同一人であることを証する書類(戸籍の附票等)
  • 違反転用の場合は、その顛末などを記した始末書
  • その他参考となるべき書類

農地転用で行うこと

  • 現地確認
  • 市(県)、土地改良区との相談や調整
  • 資料の収集
  • 農地法の申請書、添付書類作成
  • 図面の作成

これだけの書類や手続きが必要になります。

作成書類はかなり多く、専門的な図面などの作成も必要になっています。

また、行政との相談や調整などは、何度も役所に行く必要があったりと、かなり時間と手間がかかります。

もちろん、ここに記載したのはあくまでも一般的なものになるため、内容によっては他にも必要な書類や手続きが必要となります。

行政書士に依頼するメリット

1.メイン業務などに集中できる

農地転用の手続きは、住宅を建てたり駐車場や資材置き場にしたりするための前段階での手続きであり、最終目的ではありません。本来の事業目的を達成するためには、他にやらなくてはならない事が沢山あり、これに集中して取り組みたいとお考えの方がほとんどなのではないでしょうか。

対して、依頼を受けた行政書士にとっては、農地転用の手続きそのものが目的になり、専門家としてこれに全力で取り組まなければなりません。

よって、依頼者と行政書士が、お互いの“本来やるべきこと”に集中することは、全体としての仕事の質の向上と効率化に繋がるといえるでしょう。

2.時間の短縮

農地転用の手続きを行政書士に依頼することにより、農地転用に費やすはずだった時間を、本来の業務のために使うことができるようになります。

そもそも転用が可能かどうかの判断も難しいのですが、業務に慣れた行政書士であればスムーズに判断し着手可能です。

そのため、事業目的の達成までの時間短縮につながります。

また、農地転用の許可申請は、月1~2回の締切日が設定されているので、締切日を1日でも過ぎてしまうと、次の締切日の扱いとなり、審査が後回しになってしまいます。

結果、工事に着工する時期など、全て遅れていってしまいます。

スムーズに手続き完了させたい、事業開始予定日までの時間があまり無いような場合には、行政書士に依頼するメリットが大きいといえるでしょう。

3.間違いを防げる

農地転用の手続きを進めるにあたり、事前に済ませておかなければならない手続きや、他の手続きが急遽発生してしまう、というのはよくある事です。

これらの手続きを見落としてしまうと、申請が通らずかなりの時間を要してしまいます。間違いや見落としを防ぎ、時間のロスを防ぐには、最初の段階での調査がとても重要になります。

事前調査、役所との意見調整が不足のままで農地転用手続きを進めていくのはとても危険です。

農地の手続きに精通している行政書士に手続きを依頼することは、必要な手続きの見落としを防ぐという観点で必須といえるでしょう。

4.手間がかからない

農地転用の手続きは、市町村の農業委員会窓口となっており、実際に役所に行って様々な話をしなければならないことが多くあります。

電話での対応も受け付けてもらえますが、直接図面や資料等を持参して役所に行った方が早いことも多いです。

一般の方にとって、日常的に役所に足を運び、担当職員と協議することはあまり無いと思います。慣れないことをするのは負担になりますし、何よりも知識がないと担当者と話が噛み合わず、物事が前に進まない…なんてこともあります。

そして、ご存じのとおり役所は土日祝日が閉庁日となっているので、平日にお仕事をされている方がご自身で手続きをするためには、わざわざ仕事を休まなければなりません。

行政書士に手続きを依頼すれば、基本的に役所に一度も行かなくても、スムーズに手続きを進めることが可能です。

行政書士に依頼するデメリット

1.費用がかかる

最大のデメリットは、自分でやるよりも費用がかかってしまう事です。

最初にもお伝えしたとおり、行政書士は手続きを“事業”として行っているので、費用が発生することになります。

農地転用の許可申請手続きを行政書士に依頼した場合、相場としては10万円から15万円程の報酬と諸経費(証明書類の取得手数料など)が発生します。

対して、ご自身ですべての手続きを行う事ができれば、報酬分の約10万円を節約することができます。

とても大変な手続きではありますが、ご自身で出来ない手続きという訳ではないため、時間に余裕がある&複雑な手続きを進めていく気持ちがあれば是非チャレンジしても良いでしょう。

2.行政書士の選定に悩む

では、実際に行政書士に依頼するとなった場合、どうやって選んだら良いのでしょうか。

農地転用の手続きは行政書士が行う事ができる業務になりますが、全ての行政書士ができるとも限りません。

行政書士が取り扱う仕事の範囲は非常に広いため、それぞれ得意分野を持ち、その手続きのみ行っている、という行政書士の先生が多数いらっしゃいます。

(ex.建設業許可、運送業許可、遺言や相続、外国人就労ビザ許可申請など)

ですので、中には農地転用の手続きをやったことが無い、もしくはあまりやったことが無いなんて行政書士も多数いらっしゃいます。(地域にもよります)

多くの行政書士はそれぞれの得意分野を持ち、得意分野の知見を活かして業務にあたっているのが現実です。

では、どの行政書士に依頼すればよいのでしょうか。

正直に申し上げますと、選択の基準があるわけではありません。

知り合いの方や業者などから実績のある行政書士を紹介してもらう方法が一番確実といえます。

ですが、その様な“伝手”がない場合は、インターネットでの口コミや、直接事務所に問い合わせて確認する必要があるため、かなりの手間になってしまいます。

ですが、行政書士以外の第三者を代理人として依頼することは気をつけてください。

最初に述べた通り、法律違反になってしまう恐れがあります。

では売買が絡む場合、農地転用手続きの費用を負担するのは、買主と売主、どちらが一般的でしょうか。

農地の売買にあたり、法律上、売主・買主どちらが負担するという規則はありませんが、

一般的には

売主が負担

  • 抵当権の抹消費用
  • 土地改良の決済金など
  • 確定測量や分筆費用

買主が負担

  • 所有権移転登記費用

となります。

しかし、農地転用の費用に関しては、上記のようには定まっておりません。

  1. 売主と買主が折半
  2. 売主が負担
  3. 買主が負担

なお、インターネットでは、理論的に考えてこれから土地を利用していく買主が負担するという考え方も散見されますが、手続きの内容ケースバイケースになります。

まとめ

農地転用を行政書士に依頼することには多くのメリットがあります。

現在、行政書士の報酬は自由化されておりますので、行政書士事務所ごとに報酬額は変わってきます。

当然、農地転用の手続きの経験値も事務所ごとに異なりますので、様々な観点から総合的に判断しましょう。

トラストでは、農地転用手続きについて、数多くの実績があります。

是非、農地転用手続きでお悩みでしたら、一度ご相談ください。

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