農地の無断転用

食料自給率が低い我が国にとって「農地」は、大切な生活基盤です。この農地を守るための法律が「農地法」です。

今回は“よくある事”だけれども、気が付かないうちに法律違反となり、後々大変なことになってしまう恐れがある【無断転用】についてご説明します。

事例
Aさんは代々農業を営む農家です。今回、息子夫婦と一緒に同居することとなり、家族の人数が増えました。それに伴い車の台数も増えたため、自宅の駐車場だけではスペースが足りなくなってしまいました。 そこで、複数所有している土地のうち、自宅隣にある畑の一部を駐車場にすることにしました。

自分が所有している土地の一部を駐車場にする……

一見なにも問題が無いように思えますが重大なポイントがひそんでいるのです。

それは、自分が所有しているとはいえ、「畑」を駐車場にすること。

市街化区域以外の区域で、「農地法」の許可を得ずに農地を住宅用地や資材置き場、駐車場といった“耕作の目的以外”に使用(転用)することを【無断転用】といいます。また、たとえ今は耕作をしていない農地を工事等の資材置き場や残土の捨て場等として一時的に使用する場合であっても、許可を得ずに使用することは【無断転用】となってしまいます。

この事例のように、「自分の所有地を、自分や家族の生活のために利用する」というのは当たり前のように感じられますが、「農地法」という法律で規制されているのです。

ごく当たり前の事のように感じられてしまうため、違法な行為をしているという認識がないというケースも多いのではないでしょうか。

では、もし気づかずに【無断転用】をしてしまった場合、どうなってしまうのでしょうか。

引き続きAさんの事例を見てみましょう。

事例
自宅隣の畑の一部を駐車場にしたAさん。 数年後、同居していた息子夫婦に子供が生まれました。待望の孫誕生に喜ぶAさん。しかし、将来の事を考えると、Aさんの自宅で同居するには少し手狭になってきました。そこで、将来の事を考え、Aさんの自宅近隣にある、“今は使われていない畑だった土地”に息子夫婦の新居を建てさせることにしました。
いざ、息子夫婦の新居を建てる為に手続きを進めていた時の事です。 新居建設予定の土地が【農地転用の許可】申請手続きが必要だという事が発覚し、専門家に依頼して手続を進めてもらっていたのですが、数年前に駐車場にした土地のことを指摘されたのです。
なんと、駐車場にした当時、【農地転用の許可】申請手続を行わなかったため、【無断転用】となり、元の状態(駐車場にする前の状態)に戻さないと、息子夫婦の新居を建てるための【農地転用の許可】を出せないというのです。

【無断転用】が放置された場合、以後他の農地に関して許可が必要となった場合に、『無断転用の是正(改善)』を求められることになるのが大きなデメリットになります。

また、Aさんの事例のように『原状回復命令』が出される場合もあり、これに従わない場合は、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」を課せられます。

もし、既に無断転用をしてしまっているという方は、そのまま放置せず、早めに農業委員会の窓口か行政書士に相談することをお勧めいたします。

農水省HPより

現在畑として耕作している土地の一部に農業用倉庫を建設したいのですが、許可は必要でしょうか。

トラクター等の農機具、農薬・肥料、収穫物等の農業に関連するものを保管するためであれば、許可は不要です(200㎡未満)。

畑を一時的に資材置き場としたいのですが、短期間であっても許可が必要でしょうか

たとえ短期間であっても許可が必要になります。

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