農家の次男、三男等が本家から分かれて新たに市街化調整区域内で世帯を持つことを言います。
住宅の資材高騰や土地の値上がり等で新潟市でも新たに土地を購入し、住宅を建築することは、経済的に大きな負担となります。
親所有の土地に分家住宅を建てるメリット
- 親から土地を借りる、贈与してもらうことによって土地代がかからない
- 自分が以前住んでいた地域なので住み慣れている
- 将来子供が生まれたら、両親が近くに住んでいるので保育園や学校等の送迎を頼める
- 孫の顔を頻繁に見せることができるので親孝行できる
実家が農家の方で、親が土地を所有しているのであれば、そこに「住宅を建てたい」と考える人も少なくはないのではないでしょうか。
しかし、現在の法律では「市街化調整区域」には基本的に建物は建てられないことになっております。
新潟市の分家住宅の要件を見てみましょう。
- 申請者は,民法第725条に定める親族の範囲(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)に該当し,かつ,申請時において10年以上住宅を適法に利用した本家(以下「親等」という。)の世帯構成員である者又はあった者であること。
- 申請に係る土地は,次の各号のいずれにも該当するものであること。
- 親等からの相続若しくは贈与(使用貸借を含む。)があったか又はそれが確実なものであること。
- 親等が5年以上所有しているものであること。※1
- 既存の集落内又はその周辺の土地であること。
- 開発(敷地)面積は500平方メ-トル以下であること。ただし,土地利用上やむを得ないと認められる場合はこの限りでない。
- 親等は,原則として申請に係る土地の存する既存集落と同一集落内又は周辺の集落に10年以上生活の本拠を有していること。
- 親等は市街化区域内に自己の住宅地以外に土地を所有していないか又は 所有していても住宅の建築が困難である等の事情があること。
- 予定建築物は,自己の居住の用に供する専用住宅であること。
※1ただし,当該土地が農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)に基づき農用地区域に指定されていてその変更ができない場合又は農用地区域外であっても住宅を建築することが好ましくない場合で,当該土地との交換により取得した土地については,5年以上所有している土地とみなす。
※2ただし,収用対象事業による建築物の移転等の事情により,当該集落に生活の本拠を有することとなった期間が10年に満たない場合については,10年以上前から生活の本拠を有しているものとみなす。
上記の要件に該当しているのであれば、分家住宅を建てることができる可能性があります。
要するに、長年市街化調整区域で生活してきた人の子供等が独立して生活し、親の近所に住宅を建てるという場合は、要件を満たしていれば許可しましょうということです。
新潟市独自の新たな条例の制定
また、新潟市においては、近年、人口減少などにより農村集落の維持が困難となるなど、「市街化区域」「市街化調整区域」の線引きが、農村集落衰退の一因ともなっています。
これらの状況から、市街化調整区域のまちなかや農村集落の維持・活性化を図るため、従来の市街化調整区域の開発許可制度を補完するルールとして条例が制定されました。
条例により住宅などを建てる場合の要件を緩和することで、これまであった所有期間や居住地等の制限が無くなることから、農村集落への移住が容易となり、維持・活性化につながることが期待されています。
条例適用の区域・土地
- 既存集落区域
- 概ね50戸以上の建築物で構成される集落
- 既存宅地
- 区域区分(線引き)した際、既に宅地であった土地
ポイントとしましては、これらの区域・土地には分家住宅でなくても住宅等を建てることができます。
要するに、この地区に何も縁もゆかりもない方も対象になってくるのです。
市街化区域内の土地と比較しても割安になると思われますので、これから住宅を建てようという方は、条例適用区域での住宅を検討してみてはいかがでしょうか。