このような場合に、行政書士に農地転用の手続きを依頼すると必ず許可されるのでしょうか。
仮に経験の豊富な実績のある行政書士であったとしても断念せざるを得ない場合がありますので一部を例示いたします。
申請地の所有者が認知症
申請対象の農地の所有者が高齢で認知症の場合、
「ご家族が農地転用の手続きを進めているが、所有者本人はその状況を理解していない」
というケースがよくあります。
農地転用という申請行為を行うにあたり、本人がそのことを認識していない以上手続きを進めることができません。
これは、家族の承諾があったとしても同じです。
どうしても進めなければならないという場合は、成年後見制度を利用することになります。
青地、第1種農地等の場合
ランクの高い農地の場合に、一律許可されないということではないですが、
・他に代替する土地がないこと
・緊急性
・農地の連担性
・他の農地へ日照通風の影響がないか
・その他の要件
を考慮することになります。
相続未了で相続人が多数
申請予定地の登記上の名義人が亡くなられた先代、先々代のままということはよくあります。
名義が先代、先々代のままであっても手続き上は相続人全員の同意で農地転用の手続きは可能ですが、そもそも全員が同意しているのであれば相続登記を完了させているはずです。
このようなケースでは、相続人全員の同意を得ることができず最終的に断念となってしまうこともあります。
他の所有地を無断転用
農地転用を予定している土地については、何ら問題もなく要件を満たしているのに許可されないというケースもあります。
それは、その申請人が所有している他の土地を無断転用し違法状態が継続しているような場合です。
このようなケースでは、まず自身の違法状態を解消し、そのうえで申請をするという必要があります。
しかし、現状回復に多額の費用が必要であったりという理由で断念せざるを得ないこともあります。