食料自給率の低い我が国では、農地は国民の食糧を確保するための大切な財産です。簡単に農地以外に転用できないように法律で規制がされているのです。
さて、農地(田や畑)を転用するには、いくつかの要件があります。
➀目的
農地を転用するには、「目的」が必要になります。
たとえば「家を建てたい」「駐車場にしたい」というような目的です。
何となく農地を転用したいということでは、転用できないのです。
理由としては、農地法で「農地」を守っていかなければならないと定められているので「こういう理由なら仕方ないな」と思われる「目的」が必要になってくるのです。
➁資金
農地を転用するには当然ながら「資金」が必要になります。資金計画から見て、資金調達の見込みがないと思われる場合は、転用事業が遂行される可能性が低いと判断され許可されません。
また、過去に別件で転用許可を受けたにも関わらず計画通り転用事業を行っていない場合、新たに転用申請がなされたものについてもその実現性は低いと判断されます。
③時期
「遅滞なく転用目的に供する」と認められる必要があります。
たとえば、「準備が出来次第」「2年後」というような場合は、許可されないということになります。
➃面積
農地転用面積が転用目的からみて適正か。
たとえば農地を転用して住宅を建築したい場合に500坪転用したいというのは如何でしょうか。広すぎるという判断になると思います。
農地の農業上の利用を確保するため、必要規模以上の農地転用は許可されません。
⑤転用の優先度
農地にはランクが存在します。
・農振農用地(青地)
・甲種農地
・第1種農地
・第2種農地
・第3種農地
例外もありますが、基本的にはランクの低い農地から転用することを行政から求められます。
➅隣接農地への影響
周辺の農地へ被害を及ぼす恐れがある場合は許可されません。
農地転用を行うことにより、盛土によって周辺の農地より高くなると雨水や汚水の処理、日照・通風、土砂の流失等の問題が出てきます。
・農業用排水施設の機能に支障を及ぼす
・農道、ため池等、農地保全上必要な施設に支障を及ぼす
・集団的に存在する農地を分断する
・日照、通風等を遮り、営農に支障を及ぼす
・土砂流出等、災害を発生させる恐れがある
以上、農地転用のポイントについての説明でした。